AIZUGATA graphicsを発足し、会津型の知名度を更に高めるためにまず行ったのは商品開発でした。
様々な展開方法が候補に挙がりましたが、プロジェクトを主催するユニフォームネットの持ち味を最大限に活かせる衣料品の開発はマストと考えていました。
そこで走り出したのがふたつの商品企画です。
これまでの取り組み
喜多方の染型紙「会津型」の魅力を伝え地域貢献を目指すプロジェクト AIZUGATA graphicsは、地元企業や学校法人と連携をとり、主催の株式会社ユニフォームネットが持つノウハウをフルに活かしながら、様々な活動に挑戦してきました。その取り組みを三つのカテゴリに分けてご紹介します。
新商品開発・販売
「会津型を身につける」を楽しんでもらいたい。
プロジェクトの第一歩
刺繍やプリントといった製品加工を自社グループ内でも行っているため、会津型の魅力的な紋柄をどのように形にするかとことんこだわり、完成したのが会津型エプロンです。
今まで会津型と出会うきっかけが無かった人たちとの出会いを作るべく、クラウドファンディングサービス「Makuake」を通して商品発表を行ったところ、目標金額を上回る支援が集まり、福島県内のテレビ、ラジオ、新聞など各メディアにも取り上げられました。
新たな表現方法を模索して誕生した
会津型ネクタイ
エプロンの製作から時間をおかず、2019年の夏に製品化したのが会津型ネクタイです。 ジャガード織りで作られたネクタイは、華美過ぎないながらもしっかりと首元をお洒落に引き立てるファッションアイテムに。
クラウドファンディングサービス「READYFOR」で支援プランを立ち上げたところ、 目標金額を達成するとともに多くの応援コメントをいただき、会津型の新たな魅力発見に向けて大きな一歩となりました。
産学連携
新商品開発を行う中で会津型の普及手段を模索するうちに、福島県内でもまだまだ会津型の認知度を広める余地があると感じていました。
活動を通して少しでも地元福島に貢献できる成果を残したいという思いから若手クリエイターの発掘や育成を目指し、次なる手として計画したのが学校と企業がコラボレーションして行う産学連携です。
芸術性の高い会津型の紋柄は、若いデザイナーにとって成長の糧になると確信し、協力を仰いだのが学校法人国際総合学園FSGカレッジリーグ 国際アート&デザイン大学校(以下、A&D)。郡山市に校舎を構える専修学校です。
在校中の現場経験に積極的なA&Dと喜多方市の尽力により、2019年からコンペティション形式の産学連携が実現しました。
学生ならではの発想で
Tシャツをデザイン
第一回目の産学連携では会津型の柄を使ったTシャツデザインを募集。イラストレーション科、グラフィックデザイン科の学生31名から76案もの作品が集まりました。
選考会を実施し、採用された10名の作品をクラウドファンディングサービス「フレフレふくしま応援団」を通じて販売しました。
衣類に会津型の柄を使用する。それはいたって「普通」のことのようにも思えますが、会津型全盛期には無かったTシャツにプリントすること、そして若くフレッシュなデザイナーの卵たちによるセンス溢れるアイディアが集まったことで、会津型の新しい可能性を感じる試みとなりました。
大胆なデザインの
ビーチサンダルが大集合
第一回が好評を博し、2020年には第二回目となる産学連携企画としてビーチサンダルのデザインコンペティションを開催しました。
集まった28作品を実際にプリントし、実物をA&D校舎にて展示。生徒や一般の来校者から投票を募り、最優秀賞・優秀賞に輝いた五名には表彰状を授与しました。
作品制作を通して多くの学生が会津型と向き合い、福島に眠る文化の魅力に触れ、刺激を得る機会になったことは間違いありません。今後も同学との産学連携は継続して実施していく予定です。
ブランド企画
これまでの活動を通してAIZUGATA graphicsのベースを築きつつあった私たちが次に向かったのは、BtoCに特化したアイテムを打ち出し、会津型を広めるための広告塔を生み出すこと。
そうした狙いのもと2020年4月に生まれたのが会津型の紋柄を用いたアクセサリーを展開するオリジナルブランド、「AIGRA(アイグラ)」です。
伝統を身近に感じられるファッションアイテム
染型紙のシナジーを表現するためにチャーム部分には紙を使用し、環境に配慮した専用紙を採用したことでサステナブルなファッションアイテムに仕上げました。
福島県を中心とした委託販売やオンラインでの販売を通してAIGRAの根源にある会津型の魅力発信に取り組んでいます。
地域貢献に繋がるサイクルの創出は大事なテーマだと常に考えており、製作の最終組み立てでは福島県喜多方市にある就労支援施設「ステップボード」の力を借りています。
また、ターゲットユーザーに合わせたプロモーションを展開するためにSNS上で募集したインフルエンサーをアンバサダーとして起用し、プロモーション強化施策などにも取り組みました。
会津型デザイン×会津の漆技法で、新たな表現
通常ラインのアイテムよりもワンランク上のシリーズとして誕生したのが、UV漆加工を施した「AIGRA塗- nuri-」。
加工には会津塗の技法を進化させた「会津UV漆」を使用。作業は福島県内の漆加工専門企業が担当し、まさに福島県の伝統や文化を組み合わせて作られたアイテムです。
クラウドファンディングサイト「Makuake」で2022年1月から3か月間支援者を募集したところ、目標金額を超過する500%もの応募がありました。
これまでの商品とは質感もイメージもがらりと異なり、ブランドにとって新たな表現領域に一歩踏み込んだシリーズとなりました。
プロジェクト始動から現在まで
- 2018年
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- 遠藤市長と出会う
- AIZUGATA graphics始動
- 喜多方市を訪問。情報収集や関係各所との顔合わせ・連携を開始
- 「蔵の里」「郷土民族館」訪問。会津型の実物展示から更にその魅力に触れる
- 2019年
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- Makuakeで会津型エプロン支援プロジェクト立ち上げ。目標額137%達成で終了
- READYFORで会津型ネクタイ支援プロジェクト立ち上げ。目標額142%達成で終了
- A&Dとの産学連携第一回目を実施
- AIGRA企画構想を開始
- 2020年
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- AIGRA誕生
- AIGRA専用ECサイトオープン
- A&Dとの産学連携第二回目を実施
- AIGRA第二弾シリーズ発売
- 2021年
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- AIGRA第三弾シリーズ発売
- A&Dとの産学連携第三回目を実施
- 第7回ふくしま産業賞 銀賞を受賞
- AIGRAがおもてなしセレクション2021年度第一期 金賞を受賞
- 2022年
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- MakuakeでAIGRA塗-nuri-支援プロジェクト立ち上げ。目標額500%達成で終了
- 福島県の漆塗装専門会社「株式会社ユーアイヅ」と業務提携
- AIGRA塗-nuri- 一般販売を開始
- A&Dとの産学連携第四回目を実施
- AIGRAが第8回ふくしま産業賞 銀賞を受賞
- AIGRAが第9回新東北みやげコンテスト 入選
- AIGRA塗-nuri-がおもてなしセレクション2022年度第一期 入選
- 2023年
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- 福島ファイヤーボンズとの共同企画・製作アクセサリーを発表
- A&Dとの産学連携第五回目を実施
年々規模を広げているAIZUGATA graphics。
今後も会津型の魅力を広める活動を続けてまいります。
※2023年9月の情報を元に作成しています