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冷却ベストと熱中症対策

屋外や温度が高い場所で作業に従事される方は体温調節が必要不可欠。常に快適に作業を行うには、冷却ベストを装着することをおすすめします。

冷却ベストとは、保冷剤や気過熱を利用を利用し、常に上半身を冷却する機能を備えた作業服のことを言います。

冷却ベストは様々な種類のものがあり、それぞれ特徴が異なります。本記事では、選び方と共におすすめの冷却ベストをご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

熱中症予防に冷却ベストが有効な理由

体を効率良く冷やすには、まず初めに首や脇の下、太ももの付け根を冷やすのが良いとされています。皮膚を通して静脈に流れる血液を冷却してあげることで、やがて冷やされた血液が体内に循環し、体全体を冷やすことができます。

冷却ベストは体表全体だけでなく、静脈が通る脇の下も冷却してくれるため、効率良く体を冷やすのに有効です。

また、スイッチを入れている間は常に冷却し続けてくれるため、炎天下や長時間の作業する方の体調維持にもおすすめです。

冷却ベストの機能と効果

冷却ベストはシャツの上に着用してスイッチを入れるだけで簡単に体温上昇を抑えてくれる手軽な製品です。

作業中の熱中症予防効果に大きな効果があるのはもちろんですが、随所にポケットが付けられているため、作業服としての機能性もしっかり備わっています。

また、夏場の屋外作業はもちろんですが、野外のスポーツ観戦やコンサートなど熱気が集まる場所、釣り・登山・バーベキューなどのアウトドアなどにも活躍します。

冷却ベストの仕組みと選び方

冷却ベストは、冷却方法によって大きく次のように分けられます。

◉ファンタイプ
◉保冷剤タイプ
◉水冷タイプ

ファンタイプは、背中や腰部分に設置された小型ファンによってベスト内に外気を送り込み、汗を蒸発させる時の気過熱で体を冷やす仕組みです。

ファンが作動している間は常に冷却効果を発揮しているためエネルギー効率が良く、冷却ベストを使用する企業の多くはファンタイプのベストを採用しています。

保冷剤タイプは、背中や脇部分に設けられた専用のポケットに保冷剤を入れて部分的に直接冷やすことができるため、即効性があります。

水冷タイプはベスト内に張り巡らせたチューブ内を水が循環する「循環タイプ」と、水が気化する際に生じる気化熱を利用する「気化熱タイプ」があります。

水冷タイプの冷却ベストについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

保冷剤タイプの冷却ベスト

保冷剤タイプは、内ポケットに保冷剤を入れる冷却ベストです。古くから採用されており、保冷剤を入れた部分をピンポイントで冷やしてくれます。

ファンタイプと比べると持続時間が短く、保冷剤を交換したり、保冷剤を冷やす時間や冷凍庫が必要だったりと、こまめな管理も必要ですが、コンパクトで作業の妨げになりにくい長所があります。

また、構造もシンプルで1着あたりのコストが低いため、導入しやすいのも保冷剤タイプの大きな長所です。

さらにファンタイプと併用すれば冷たい風を循環できるため、より過酷な環境でも快適に作業が続けられます。予備の保冷剤を上手く活用できれば、現場でも十分活躍することができるでしょう。

保冷剤タイプの冷却ベストを詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

ファンタイプの冷却ベスト

背中や腰部分に小型ファンが付いているタイプの冷却ベストです。内部に外気を取り入れ、汗を気化させて冷却します。

バッテリーの交換が必要ですが、風量を自由に調整できるため、バッテリーの消費電力を効率良く抑えることもできます。

反対に風量を多くすれば、屋外作業など炎天下での作業でも安定して冷却してくれます。

ただし、バッテリー・ファンが付いている分、ものによっては重くて作業が邪魔になるデメリットがあります。稼働中はベストが膨らむため、見た目が格好悪いと感じてしまうこともあるでしょう。

ファンタイプの冷却ベストについてはこちらでも詳しく紹介しています。

適切なサイズの選び方

冷却ベストは作業を前提とするため、実際に試着して様々な姿勢をとり、動きやすいかどうかを確認する必要があります。

また、ファンタイプの冷却ベストは作動時にベストが膨らむため、ある程度ゆとりのあるサイズのものを選ぶことをおすすめします。

重ね着との組み合わせ方

夏場での屋外作業時は、重ね着しても蒸れにくいメッシュタイプを選ぶことをおすすめします。

スポーツ用のインナーやアンダーウェアの上に着用すれば、直射日光を避けつつ体も効率良く冷却することができます。

おすすめの冷却ベスト

近年は酷暑が長引きやすい傾向があるため、冷却ベストは現場作業スタッフの必需品とも言えます。

特にファンタイプの冷却ベストは効率の良い冷却効果が長続きするため、現場作業での熱中症対策の代表的な存在だと言えるでしょう。

ただし、ファンタイプは駆動部が大きいのが難点です。

そこでおすすめなのが、ファンタイプと保冷剤タイプの良いとこ取りをしたペルチェ粒子タイプのフローズンベストです。

ペルチェのフローズンベスト

フローズンベストは「電気を流すと熱を吸い取る金属の特性（＝ペルチェ効果）」を利用した新しい冷却タイプのベストです。

ペルチェ効果は1843年にフランスの学者ペルチェが発見したもので、異なる金属をくっつけて電気を流すと、一方に熱が流れていく現象のことを言います。電気を熱に変換する現象であるため、「熱電交換」とも呼ばれています。

この効果を利用して開発されたフローズンベストは、表面最大冷却温度は−20℃。ペルチェ素子という冷蔵庫と同じ技術で冷えるプレートと、ファンによる気化熱でしっかり体を冷却してくれるため、得られる冷涼感はかなり大きめです。

倉庫業や高温・多湿の過酷な現場作業、塗装業や塵埃が舞う現場、食品工場など、ファンタイプ・保冷剤タイプが適さない現場にも適しています。

フローズンベストの特徴

フローズンベストは電源を入れてから10秒ですぐに冷却が始まります。また、電流を制御することで温度も細かく設定できます。

さらに、ベスト内の温度は3段階に切り替えが可能です。

ほかのタイプと比べると稼働時間は短めですが、使用中に細かく温度設定を行えば、長時間の利用も問題ありません。

ファンタイプや水冷タイプのように稼働部が無いため、小型・軽量なのも特徴です。重さは約570gと軽量で、作動音もほとんどありません。

基本サイズはフリーサイズで、胸囲は88cm〜120cmまで対応しています。

両脇のアジャスターでサイズ調整も可能で体にジャストフィットさせられるため、ユニフォームとも相性抜群。もちろん重ね着も問題なくできますし、ハーネスの下にも着用できます。

ほかにも、3つのペルチェデバイスは簡単に取り外しできるため洗濯も可能。常に清潔な状態を維持することができるのも大きなメリットです。

まとめ

酷暑の現場作業者の必需品とも言える冷却ベストは、様々なタイプの製品が存在します。

現在最もメジャーなのはファンタイプの冷却ベストですが、作動部が重くて作動中は膨れて作業性が悪くなるなどのデメリットがあるのも事実です。

そこでおすすめなのが、今回ご紹介したペルチェのフローズンベストです。

本製品は電源を入れてからすぐにひんやりとした感覚が体感できるほどの冷却効果を発揮するほか、軽量・コンパクトなどのメリットもあります。

過酷な現場作業を行う方にもご満足いただける製品ですので、ぜひご検討ください。